電車に揺られること、1時間。

窓の外を見ると、まばらに見えてたビル群さえもなくなり、畑や小さな商店街が目立つようになっていた。


「着いたよ。」


田崎さんのひとことで、私の緊張感が高まった。


改札口を出ると、田舎だと思っていた街が、意外にも飲食店やキャバクラが多くて驚いた。

時刻は22時半ということもあり、キャバクラの看板がキラキラと輝き、スーツ姿の客引きのボーイさん達がたくさん立っている。


前に勤めていた街とは、また違う雰囲気に、飲まれてしまいそうになる。