東京の片隅―――。 小さなキャバクラ街の、小さな店舗。 不安や期待を胸に、飛び込んだ新しい場所。 楽しそうな笑い声と、 客引きのボーイの巧みな言葉が、街に入り交じる。 アルコールの匂いと、 キャバクラ嬢の香水の匂いが鼻をツンとさせる。 小川 瀬里奈は、 "まな" という夜蝶に姿を変えて、舞い出した―――