「あのっ…!「居ていいよ?」」
私の言葉を遮って、お客様が言葉を発した。
「むしろ、居てほしいから。
まなちゃんが嫌じゃなければ、まだ俺といてよ。」
「え、あ、ありがとうございます!」
すぐに、滝田さんを呼んで、場内指名いただいたことを伝えた。
「ご指名いただきました!あざーーすっ!」
滝田さんは元気よく言い残して、去っていった。
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その後も、2~3人ほど接客して、体験入店はあっという間に終わったのだった。
「まなさん、お疲れ様でした!」
着替え終わって、ぼーっとしていた私は、滝田さんの声で我に返った。
そうだ、私は、"まなちゃん"だったんだ。
