『ううん、大丈夫。』 「今日の放課後、空いてる?」 『ごめん。今日は昼休み早退して、仕事なんだ。』 「……じゃあ、4時限目終わったら、教室でちょっと待っててくれねぇか?」 『いいけど……なんで?』 そう言ったけれど、電話は切れていた。 空き教室に私の足音だけが響いた。