『わりぃな、水麗ちゃん。』 瀬戸くんはそう言って、保健室とは反対方向に歩き出した。 『瀬戸くん!保健室…そっちじゃない……よ……』 言葉が出なかった。 瀬戸くんの少し振り返った顔があまりにも無表情だったから。 瀬戸くんは何も言わず、A組の教室に入っていった。 今……瀬戸くんがどんな気持ちなのか… 私にはわかるはずもなかった。