恋愛ざかり




『水麗〜!早くしないと、先、帰っちゃうよー?』



歩美は制服に赤のマフラーを巻いて、手招きしている。






『じゃあ、帰ってください。お疲れー。』




アタシは完全なる棒読みで帰りの用意を進めた。






『水麗〜!怖いー!一緒に帰ろーよ!』




歩美は近づいてきて、私の腕をブンブン振り回している。






『帰るから、腕、離してー!』


私は歩美の腕を引き剥がす。





『うんっ!一緒に帰ろ!』




歩美はニッコリ笑って、腕を組んできた。





『結局、腕、組むのかよー!』



私と歩美は笑いながら、表から店を出た。