男が出ていったのを確認し、歩美を見ると、まだ微かに震えていた。
『歩美…?もうあの男、いないから、顔、上げて…?』
歩美の背中をさすりながら、私は歩美の顔を覗き込む。
歩美はゆっくり顔をあげた。
『水麗〜……なんかごめんね〜!いきなり触られてビックリしちゃった〜!でも、もう大丈夫だから!』
歩美は無理矢理の笑顔を私に向けた。
『歩美…?無理しない方がいいよ…?』
私は歩美に優しい笑顔を向けた。
『だいじょーぶだから〜!ほら、バイト、バイト♪こんなとこで話してたら由実さんに怒られちゃうよ!』
歩美は私の背中をレジまで押した。


