カツ、カツ、カツ、カツ……… まだ薄暗い、静かな街に私の足音が響く。 駅前で待っていると、見慣れた白い外車が現れる。 車の窓が開く。 『水麗が遅刻しないなんて、珍しいわね。後ろ、乗りなさい。』 明音さんは笑顔で後ろを指差す。 『失礼しまーす。』 私はそう言いながら、後ろに乗ると、勢い良く発進した。