私は恭平に早退する事を伝えにいった。 運良く恭平がA組の教室から出てきた。 『恭平!』 私がそう話しかけると、恭平は驚いた顔で私を見た。 『水麗じゃん。何、帰んの?』 恭平はカバンに視線を移す。 『早退。熱出た。アハハ……』 バカだよね、私。 『俺、言ったよな?今日は休めって。人の言うことを聞かないお前が悪い。で、一人か?』 恭平はイタズラに笑って、私の頭をワシャワシャッと撫でた。