『斗真くん、ありがと。』 逢沢先輩は俺に優しく笑って、そう言った。 『いえ、それほどの事、してないし………』 俺はただ運んだだけだ。 それだけで、礼言われるとは…… 『逢沢さん、熱、計ってくれる?』 唐沢が逢沢先輩に体温計を渡す。 あっという間に体温計の音が鳴った。 ピピピピ…ピピピピ… 『センセー、39度8分……』 逢沢先輩はダルそうに唐沢に話しかける。