『なんかあったのか?』 勘、鋭い……… 私の過去、話すべきかな? 『大したことじゃないよ。ただ浮気されまくっただけ。まぁ、いいから。ほら、食べよ?』 私は水嶋くんに渡したお弁当の蓋を開いた。 男の子には少なかったかな……… 『浮気……?』 水嶋くん、私の傷をえぐる気? 『いいから、もう、その話は。水嶋くん、お弁当、足りないでしょ?私の、半分あげるから。』 これ以上、踏み込まないでほしい。 忘れられない人がいることも、好きな人をとられたことも、思い出したくなんかない。