レンズいっぱいに広がる大きな瞳。 頭に響くような太陽の声。 「写真家さん?」 レンズから目を離し、その少年を見据える。 制服を着ている。 顔つきから考えて、高校生だろう。 辺りを見渡すと、目の前にグラウンドがある。 蝶を追うのに夢中になって、知らない道まで来たらしい。