「速水さん、開店10分前です。」
私がメニューの看板を持って外に出ようとすると、すかさず速水さんが看板を私の手からかすめ取った。
「俺がやるよ。体冷やすと悪いだろ。」
速水さんの行動はまるで嫌味がない。
速水さんは、きっとモテる。
私が暑さ寒さに弱いことも、風邪をひきやすいことも、こじらせやすいことも、知ってくれてる。
会ったことはもちろんないけど、速水さんのおじさんは、きっと温かい人だったんだろうな。
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