ゆかが立ち去った後
私は少し考えた
あの事とはなんだろ?
私はとにかく知りたくて
病室に入った
「たーすく!来たよ♪」
たすくはちょっと驚きながら
「お、おう!ありがとな。」
「いえいえ♪今日はリンゴ持ってきたからむいてあげるよ。」
「ありがとなー。今めっちゃ食いたかったんだよ。」
「ほんとに〜?まぁいいや♪むきむきするから待ってて。」
そう言って私はリンゴをむきだした
「あゆ、リンゴむいたまま聞いてほしいんだけど。」
「んー??何?」
私はリンゴをむき続けた
「ごめんな。俺何もいわなくて。」
「…なにが??」
「俺が病気だって事言わなくてごめん。」
「…」
「言い訳のように聞こえるかもしれないけど、聞いてほしい。」
「俺はもう長くない。」
私は手が止まった
「俺が病気だって事がわかった時は幼稚園の年長の時だった。」
「いつだったけな。いきなり胸が痛くて、家で倒れたんだ。俺はすぐさま病院につれていかれた。それで色々検査したんだ。そうしたら余り激しい運動ができない。特に水泳がな。」
「そうしていわれたんだ。あまり長く生きられないって。まだ6歳の俺にはわからないような事でさ。両親は泣いたよ…。」
たすくはつらそうな顔をした
「俺がそれをちゃんと理解できたのは、中学一年の時。初めて言われたかのように辛かった。死んじたくなかった。それにもしこの先激しい運動をしたら生きて帰れなくなるって。」
私はまた涙が出てきた
「俺は本当にあの時期はわらえなかった。笑いたくても泣きそうになるんだ。なんで俺なんだよって。」
「だから俺は精一杯生きる事とあゆには言わないでおこうって。」
「...なんで??」
涙でいっぱいで喋るのも辛かった
「あゆに辛い顔させたくなかった。お前すぐに泣くじゃん?お前には泣いてほしくなかったんだ…!」
「そんなの卑怯だよ!!みんなには言って、私には言わないなんて酷いよ…。私最初思ったの。私って頼りにならないのかな??私って信頼されてないのかなって本当に辛かった!!たすくなんて嫌いだって…。」
私は涙ぐちゃぐちゃになった
言いたかった事を言った
「ごめん、ごめんな…。こんな顔させたくなかったに逆に俺がさせちゃったな…。」
そうして私の頭を撫でるの
涙は止まらなくて
私は言った
