事が起こったのは今から七年前。
芽依が二十歳を過ぎた頃だ。
ちょうど、一人で仕事を任せられるようになった頃だった。
彼女は、仕事の合間に妹の探索を試みた。
晃良はそれを知っていたが、無理はしないことを約束して、黙認していた。
けれど、とある日。
彼女の部屋で小さな爆発が起きた。
慌てて駆けつけた晃良に、彼女は泣きついた。
『見つからない!』
何をどう試しても、何度しても見つからないという。
当たり前だ。
顔も名前も知らず、写真はおろか髪の毛一本も所持していないのだから。
探索の術はあるにはある。
だが、これは探す相手と自分を繋ぐものを媒体にする必要がある。
最低限でも名前と写真か髪毛が不可欠。
しかも、それは相手も術者を知っている必要がある。
芽依はそのどれも満たしていなかった。
下級とは雖も、そして引き取られた子供でも、貴族のお嬢様として平和な環境で育った彼女の、初めての挫折だった。
それから、彼女は暗所と閉所を怖がるようになった。
ずっと地下室に篭っているのだ。
年頃の女子には堪らないだろう。
けれど、外に出たら出たで、泣きながら戻ってくることが多々あった。
楽しい様子で帰ってきたことなんて一度もなかった。
学校にも通っていない。
取り柄なんて呪術だけ。
芽依は自分と同年代の子は違うことを思い知って、帰ってきたのだ。
一人ポツンと取り残された気分だったと言う。
やがて彼女は心を病み、外にも出れなくなり、地下にも行けれなくなった。
今から十三年前の事故により、呪術師の居場所は離宮しかなかった。
必然的に彼女は居場所を失った。
その頃には幾度も繰り返した爆発で目を痛め、彼女の視界は閉ざされかけていた。
その療養のためにも、一度実家に帰ることになった。
芽依が二十歳を過ぎた頃だ。
ちょうど、一人で仕事を任せられるようになった頃だった。
彼女は、仕事の合間に妹の探索を試みた。
晃良はそれを知っていたが、無理はしないことを約束して、黙認していた。
けれど、とある日。
彼女の部屋で小さな爆発が起きた。
慌てて駆けつけた晃良に、彼女は泣きついた。
『見つからない!』
何をどう試しても、何度しても見つからないという。
当たり前だ。
顔も名前も知らず、写真はおろか髪の毛一本も所持していないのだから。
探索の術はあるにはある。
だが、これは探す相手と自分を繋ぐものを媒体にする必要がある。
最低限でも名前と写真か髪毛が不可欠。
しかも、それは相手も術者を知っている必要がある。
芽依はそのどれも満たしていなかった。
下級とは雖も、そして引き取られた子供でも、貴族のお嬢様として平和な環境で育った彼女の、初めての挫折だった。
それから、彼女は暗所と閉所を怖がるようになった。
ずっと地下室に篭っているのだ。
年頃の女子には堪らないだろう。
けれど、外に出たら出たで、泣きながら戻ってくることが多々あった。
楽しい様子で帰ってきたことなんて一度もなかった。
学校にも通っていない。
取り柄なんて呪術だけ。
芽依は自分と同年代の子は違うことを思い知って、帰ってきたのだ。
一人ポツンと取り残された気分だったと言う。
やがて彼女は心を病み、外にも出れなくなり、地下にも行けれなくなった。
今から十三年前の事故により、呪術師の居場所は離宮しかなかった。
必然的に彼女は居場所を失った。
その頃には幾度も繰り返した爆発で目を痛め、彼女の視界は閉ざされかけていた。
その療養のためにも、一度実家に帰ることになった。

