空には月が輝いている。
澄んだ空気に包まれて。

あの日__この魔が彼女に住み着いた日。

月が、遠くなった。
星があまり見えなくなった。

輝く天頂の月。
その光は、十三年以上前に比べると、見違えるほど細くなった。
月は、今や掲げた拳ほどの大きさしかない。
昔は人の顔よりも大きかったのに。

深い闇夜。

黒々とした、空。
十三年前までは、星が眩しいほどに天を覆っていたのに。

彼女の鎖骨の上で、アレキサンドライトのペンダントが煌めく。

痛々しい痣を、隠しながら__。