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幼い頃、この城には子供が四人居た。

一人はユタカさま。
小麦色の髪と赤銅色の瞳。
いつも寂しさを含んでいた人。

二人目はハルカさま。
赤茶けた茶髪と赤銅色の瞳。
何事にも楽しさを見出して楽しんでいた人。

そして私。
琥珀色の髪と淡紅色の瞳。

最後に、記憶の端々に散らつく黒。
見事な黒髪と常盤色の瞳の少女。
この人も寂しい人だった。

そういえば、身体があまり丈夫ではなくて、それを知らなかった私たちは初対面で雪遊びをして、彼女に風邪を引かせてしまったんだ。

__あれ……。
名前が思い出せない。

でも、この四人でよく遊んだ。
専らユタカさまと彼女は見ていることが多かったっけ。
時に喧嘩することもあったけれど、でも、よく笑った。

すべてが崩れたのは、いつだったっけ?
何がきっかけだったのか、今でも分からない。

ごめんね。
失意のままで、死なせてしまって……。

ナノ__。