青空と共に描かれた先輩の後ろ姿。



自分で描いたくせに。


こうやって改めて見ると、とっても綺麗って思えてきて。



「やっぱいいな、この芹奈の絵」



そう言って、先輩は私の頭を撫でてくれた。


でも、これは私一人の力じゃない。



先輩がいて、部長がいて、実咲ちゃんや祐梨ちゃんがいて。


みんながいてくれたから、この絵が完成できた。



今、本当にそう思える。



「題名、これにしたんだ」



絵の下に付けられた紹介の紙を見ながら、先輩はそう微笑んだ。



「私と先輩の…好きなモノだから」



そう言って、私も微笑み返した。




≪空と、絵の具と、白球と。≫




それが、この絵の題名。



私と先輩の大好きなモノが詰まった、大切な大切な宝物なのだから。


                                          【完】