美術部員は全部で20名ぐらい。



男子生徒はそのうち4名だけで。


幽霊部員も何人かいる。



だけど、私にとってここは天国のようなものなんだ。


絵を描く為の道具がいろいろ揃ってるし、好きな絵を堂々と何時間も描いていられるのだから。


だから、誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る。



「課題の絵…何にしよ?」



窓を開け終えた私は鞄を手に取ると、とりあえず窓際の後ろの方の席に腰を下ろした。



大きめのトートバッグから取り出したのは、いつも使っているスケッチブック。


空いているページを探すと、同じく取り出した鉛筆を片手に、私は窓の外に目を向けた。