「デッサンまでですけど……」



ドキドキしながら、私はゆっくりとページをめくっていく。


部長の視線を感じて、めくる指先まで震えているのが分かる。



「これ…です」



ページを見つけ、私はゆっくりと部長に差し出した。


まともに顔を見れず、自然と少し俯き加減になる。



「これ……」



そう呟いたまま、部長は何も言わなかった。



ちらっと横目で見ると。


どこか悲しげな顔をして…絵の中の春也先輩を見ている。



きっと、部長は気付いてる。


そこに描かれているのが誰なのか、って……。