空と、絵の具と、白球と。

祐梨ちゃんの家からの帰り道。



行きよりもはるかに重くなった足取りは、私の気持ちそのもののような気がして。


溜息しか出てこない。



春也先輩の彼女は…やっぱり、石川部長。



改めて聞かされ、私は頭の中で2人のツーショットを思い描いていた。


私なんかより春也先輩の隣がよく似合う、美人な彼女。



『私が神崎先輩を好きなのは、憧れにすぎないんだけど。でも、芹奈は本気で好きになったみたいだから……』


だから、深入りする前に止めたかったの。



そう、祐梨ちゃんは言葉を続けた。



深入りも何も、レンアイなんて初めてだから、よく分かんないよ……。