「芹奈ー、実咲ちゃんから電話よー」



部屋の外から、お母さんの呼ぶ声がした。


今日は部活が無い日。



いつもよりゆっくり寝ようと思っていたけど、何だか落ち着かなくて。


結局いつも通りに起きて。



朝ご飯を皆と食べた後、『宿題やってくる』と言って部屋に戻ってきたところだったんだけど。



「もしもし?」



リビングに行き、私は保留になっていた受話器を上げた。



『もしもし、芹奈?今日…何か予定ある?』



そう尋ねる実咲ちゃんの声は、何だか元気がないように思われた。



「ううん、暇だよ」



『なら、ちょっと会えないかな?祐梨も一緒なんだけど』



「祐梨ちゃんも?あ、今日雨だもんね」



今日は久しぶりの雨。


これじゃあ、陸上部は練習できないもんね。