「また、1人なの?」



突然背後から掛けられた声に、私はあまりにも驚いて…鉛筆の芯をボキッと折ってしまった。



「あっ、ごめん」



その申し訳なさそうに謝る声には、確実に聞き覚えがあった。


しかも、それはごく最近の事。



「は、春也先輩っ」



私の右斜め後ろにいたのは、紛れもなくユニフォーム姿の春也先輩で。



一瞬、絵の中から飛び出して来たのかとさえ思ってしまった。


帽子は被っていなかったけど、昨日と同じ姿の先輩がここにいる。



驚かずにはいられない。