夏休みが始まって、そろそろ一週間になる。




いつもの登校時間でも、学校へ行くのは部活のある人だけで。


至って静かな通学路に、セミの声が大きく響き渡っている。



今日の空は、久しぶりの快晴。


私の好きなスカイブルーの空に、白くて大きな入道雲。


そして、朝からジリジリと照りつける太陽。



「きれいな夏空だぁ」



思わず口にしてしまうぐらい、気分が良かった。



「おはよ、芹奈っ」



聞き覚えのある声に、私はすぐに振り返った。


そこにいたのは、やっぱり祐梨(ゆり)ちゃんで。



「おはよ、祐梨ちゃん」



「美術部も夏休み活動してるの?」



「うん、週に2回あるよ」



「そっかぁ、お互い大変だねぇ」



そう言う祐梨ちゃんは陸上部だから、毎日一日中練習で。


私なんかより、もっともっと大変だ。