「こんな夏休みに、わざわざ野球部の応援する為だけに学校に来てるんですものね。ある意味、尊敬するわ」



「いつも…あんなにいるんですか?」



「日によって違うみたいだけど、普段の学校の時よりは少ないかな?」



あれで…少ないんだ。



「でも、お目当ては限られてるみたいだしね」



「お目当て……」



部長の言葉が胸にチクッと刺さった気がした。


お目当てって事は、その人を好きなんだって事で。



春也先輩がそこに入っていないのを、いつの間にか祈っていた。



「3年だったら、神崎君が1番かな?」



神崎先輩っていったら、祐梨ちゃんの好きな人だ。


1番人気がある人だったんだ……。



「2番が吉野君で、3番が水木君ってとこかな」



やっぱり…春也先輩は入っていた。


だって、カッコイイだけじゃないから。



こんな恋愛オンチの私を好きにさせるぐらいの、何かを持った人なんだから。