「芹奈(せりな)は、絵を描くのが上手だな」




あれは、まだ幼稚園に入る前ぐらいの事。




買ってもらったスケッチブックに、喜んで次々に絵を描く私。


そんな私を見て、優しく笑っていたお父さん。




お父さんに褒められたくて、私はたくさん絵を描いた。



家族の顔・お気に入りのぬいぐるみ・家の庭の風景、そして…青々とした夏の空。



きれいな青い空と、大きな白い入道雲。


そして、照りつける真夏の太陽。




そんな空の絵を、私は好んでよく描いた。