気づいたらあたしは宏人の腕のなかにいた。 付き合ってたころのような 温かくて優しくておちつく。 そんな抱きしめ方。 「ちぃ、凄い勘違いをしてる。」 そう言って笑った。 「何がおかしいのよ」 「とりあえずここじゃなんだから、お店でようか。」 会計をすませたあと、 あたしの手を優しく、だけど強く握って宏人は歩きだした。