待ち合わせぴったりにつくなんてムカつくからわざと5分遅刻してやった。
そしてバーの扉をあける。
カウンターの1番奥の席にスーツを着た宏人がいた。
一年ぶりの宏人は相変わらず背中からもオーラをはなっている。
人を引き付ける。
そんなオーラ。
どうしよう。
とてつもなく泣きたくなってきた。
このまま帰ってしまおうか。
けどそんなのあたしのプライドが許さない。
この気持ちはなんなの?
でも絶対に気づきたくない。
認めたくなんかないんだ。
あたしは、
偽りの仮面を被ってこの動揺を隠せばいい。
ただそれだけのこと。

