時刻は深夜2時。

一般的に幽霊が活動的になると言われている時間だ。

でも、時間なんて実は関係ないってことを、死んでから知った。

時計の秒針を刻む音が、静かな室内に、反響する。

「ウワァァァァア!!」

突然、宏介が叫びだした。

何!?幽霊!?

って幽霊は、私か。

「宏介!」

宏介のお母さんが、宏介のそばによる。

「また、怖い夢を見たの?優衣ちゃん、きっと元気になって帰ってくるわ。だから、心配しないで。」

まるで、小さな子をあやすように、宏介に語りかける。

裕也くんの嘘、知ってたんだ。
もう二度と帰ってこないなんて、言えないよね。

にしても、よく泣く子だわ。

泣き虫宏介。

でも、いつまでもそんな嘘、つき続けられないよ。

私は、もう帰ってこない。

宏介、伯母さん、裕也くん、舞子…ごめんね。

私にできること、それは彼を悪夢から救いだし、前に進ませること。

もうこんな苦しい生活。

終わりにしようね。