ここにいるよ。

私はここにいるんだよ。

あなたの後ろにちゃんといる。
こっち向いてよ。

私を見てよ。

耐えきれなかった。

起きてと懇願する宏介を見るのも。

もう起きないんだよと言う大人たちや、親友を見ることも。

私も一緒になって泣いた。

宏介にも負けないくらいに。

泣いて、泣いて、泣いて。

それでも、涙は枯れなくて。

助けなきゃよかった。

そう思ったとき、あの女の人の声が、聞こえた気がした

“もしあなたが、誰かを憎んで呪い殺せば、悪霊となり、永遠に、地上をさ迷う。”

そっちの方がもっと嫌。

悪霊となった私を、宏介にも、誰にも見られたくない。

この瞬間から、私はしんだことを後悔することをやめた。

これでよかったんだ。

誰かの命が助かったなら、それでよかった。