said kosuke








中学生って大人って感じだった。

でも、自分がいざ中学生になってみると、何だこんなもんかって感じ。

新しい学校のもんを潜って、新しい教室に入り、新しい席につくと、俺の後ろに女子が座った。

それが優衣…お前だったな。

女子とは、あまり話したことがなかったけど、新しい自分になりたくて、お前に声をかけたんだ。

「俺、森野宏介。よろしくな」
お前は、俯きながらも、答えてくれた。

「森山優衣です。」

それが、お前との初めての会話。

ありきたりで、だけど大切なきっかけ。

前髪の隙間から見えた、少し赤くなった頬。

緊張を隠すために、精一杯作ったんだろうその笑顔に、不覚にも、一目惚れしていたなんて、悔しいから、面と向かっては言ってやらない。