愛のかけら

わたしはその日残業で夜9時まで残っていた。

まわりには後輩が2、3人いるだけ。


「先輩」

「ん?」

北川という女の子がめずらしくわたしに声をかけてきた。

「竜崎さんって――」

「えっ? 北川さんそれ誰から!?」


わたしはビクッとして思わず聞いてしまった。

「え? あたしまだ言ってませんけど」

「あ、笑ごめんごめん」

北川ちゃんは訝しそうに続けた。

「竜崎さんって、モデルの〇〇と付き合ってるって知ってました?」

「ま、まじっ?」

思わず声を上げてしまった。

「ね、意外すぎですよねー。竜崎さんてブサだし服のセンスもネクタイ見てるとないなーって感じだし――どうやって知り合ったんですかねー笑?」


「うーん。つうかそれどこ情報笑?」


わたしはたあいもないうわさだと受け流そうと――


「はい。それがモデルの〇〇が自分でつぶやいて」

わたしは耳を疑った。


そんなことありえない。


人のことだから関係ないけど、わたしは〇〇に似ているとよく言われる関係上……

「自分で? ツイッターに?」

「はい。変わってますけどね。もともと〇〇ってそんなとこありますから」

「うん。それはそうだねー」

わたしはうなずきながら、合コンで竜崎が〇〇に似てるってわたしに言ってきてたのを思い出していた。


「あの人……」

「え? 先輩なんですか?」


「ううん。……」


わたしはパソコンを終了させながら考えた。

竜崎さんて、モデルの彼女がいるのに合コン来てたんだぁ。


どーゆーつもりなんだろ。