出会いは、小さな公園だった。

小学生の私は何故かよくいじめられてた
後から聞いて見たら生まれ育ちが原因だったという
私は孤児院育ち
その時は他の人と感性が違ってたみたいで
物珍しさからちょっかいを出して
エスカレートしていじめ
今考えるとすごくくだらない気もするけど過去のことを今振り返っても仕方ないだろう
とにかくその当時私の精神はガタガタのズタボロ
なにもかもから逃げ出す事しか考えてなかった
逃げれば痛くないから
辛くないから

だからその日も逃げ出して公園にいた

公園のブランコに1人座る
ランドセルは木の下に置いて
ぐいっと加速をつけて地面から足を離す
するとふわりと浮く
後ろに下がると風を切るように
前に進むと風を受けるように
秋の冷たい風は頬をわずかに、 
だけどどんどん冷やしていく

今度は立ち乗り
膝を使って前へと、後ろへと動かす

そんな動きをしばらく繰り返してから座ろうと思い
足を片方外そうとする
…と、重力に引かれずるりと地面へ落ちる
地面はどんっと小さな音を立てる
手に引っかかったブランコの鎖を手放し
地面に座り込む
「痛い…」
そう小さく呟き
頭をさすっていると
まだ動き続けていたブランコの側面が
頭に当たる

強い痺れを残し小さく揺れながらブランコは止まる
「これは、さすがにっ…」
震える唇を噛み泣くのを堪える
痛い
止めよう 止めようと必死に堪えたけど
「ふっ…ぐ…うぅ…」
溢れ出した涙を止めるのは無理だった


「痛い…っ、痛いよぉ…」
そう口に出して治まるわけもない
そう口に出しても誰も駆け寄ったりなどしてこない
当然だ
自分はひとりなのだから