紅葉が指した空は、夕日で綺麗なオレンジ色をしていた。 「もーんのすごく速く。もーんのすごーくすごーく速く走ったら…」 紅葉は立ち上がり、両手をいっぱいに広げて言った。 なんだかキラキラして見える。 「体が宙に浮いて、自然と体が浮いて走って行けるかなーって」 ………紅葉の頭の中は、 驚くほどファンタジーだ。