「ねぇ、じいじ?」 「なんだい」 この歳になっても、涙ってのは枯れねぇものなんだな。 「ばぁばが起きんのー」 ベッドに眠るしわくちゃの紅葉を指さして、孫の星夜(せいや)が不思議そうに首を傾げた。 ついこないだ生まれたばかりだと思っていたが、いつの間にか大きくなってるもんだね、子供ってのは。