「アンタが薬以外で来ることなんて無いもんね」

「そりゃあそうだが……」

紘哉は言葉を濁した。

別に自分が睡眠薬を使っているわけではない。
この言葉が言えたらどんなに楽になるだろうか。

「何でそこで口ごもるのよ。まだ他に何かあるの?」

「……あぁ。一つ聞きたいことがある」

紘哉の言葉に紗季は目を丸くした。
そんなに驚く事なのか。