紘哉は見えない相手に向かって頷く。 『……青酸カリが検出されなかった代わりに、他の薬物が検出された』 「何だ?」 『成分分析したところ、アスピリンが出てきた』 「……アスピリン?」 『そうだ。愛され続けて60年。半分は優しさで包まれているあの薬にもよく使われてる』 「あれか……バのつく薬」 紘哉は頭の片隅に有名な解熱鎮痛剤を思い浮かべた。