「実はちょっと気に入ってたとか?」 「んなワケねぇだろ」 「果たしてどうだかね」 茶化す羽兎を睨み黙らせる。 「……帰るぞ」 「うん!早くしないとお父さんに怒られちゃう」 「……だから先帰れって言っただろうが」 そんなやり取りをしながら二人は部屋を出ていった。 誰もいなくなった部屋。 何故かそこに設置されてあった狭いロッカーの扉が開いた。 「……」 山田はロッカーから出て、小さくため息をついた。