羽兎は定侍から聞いたことを全て話した。 従業員は山田に多額の借金があること。 山田から気に入られるために与えられたキャラを演じていること。 話している間、定侍の笑顔がよぎった。 その度に心が痛くなる。 「――とにかく山田さんに好かれれば、この店を辞めることができるらしいよ」 「そうッスか」 「だからみんな必死なんだよね」 「まぁ、普通に考えてそうだろう」