羽兎は全てを話した。 紘哉の付き添いでここに来たこと。 そのくせ用無しと判断され、帰れと言われたこと。 悔しくて控室に籠城したこと。 もちろん殺人事件の潜入捜査など、大切なことは言っていない。 だんだん悲しいのか悔しいのか、自分でも分からなくなってきた。 ただ、はらはらと涙を流しながら状況を説明することしかできなかった。 羽兎が話している間、定侍は真剣に話を聞いていた。