私が好きになった男は私が嫌いなヤンキーでした。


‐千里side‐

茜が言ったことはかなり衝撃的なことだった。
さすがに、小学生に手出してる奴らがいると思わなかった。

茜が、どこの族でもそう見えると言った時は正直傷ついた。けど、妹にそんな事されて、しかも自殺したならそうは思うか…。



「千里」

「何だ?暁」


「やっと茜に会えたのにあんな事言って良かったのか?」

…いや、良くないと思う……。

「いや…」

「いいのか?そのままにしといて」


「…あとで、謝っておく」

「だな」

…まあ、あんな事言われて黙ってるわけにはいかない。
実際はウチの族は周りに迷惑かかる事は極力やらないようにしているから。

でも、謝んねーとな。




それにしても懐かしいな…。

きっと茜は覚えていないだろう。
3年前のあの事を…


雨が降る中、お前が俺に言ったあの言葉を。

俺を闇の中から抜け出させたあの言葉を………。