眠り姫

姫が目を覚ます。

若者は胸が高鳴りました。

私はやり遂げた。

姫を救い出せたのだ、と。

身じろぎしながら、姫のまぶたは少しずつ上がっていきます。

「あなたは誰?」

眠たそうな声で、姫が問いかけます。

「あなたの王子です。あなたを助けるため、参上しました。」

薄目を開けて、姫は言いました。













「うーん…あと5分寝かせて…」

若者は自分の耳を疑いました。

いつの間にか近くに来ていたコウモリが言いました。

「姫を起こすのは諦めろ。誰が何をしても幸せそうに眠っているだけなんだ。魔女も呪いも始めから存在していない。ただ、姫が起きないだけだ。」

まさか、と思ってもう一度ベッドに目をやると、姫はすでに夢の中でした。

スヤスヤと幸せそうに眠っていました。







終わり