やっとのことで城門をくぐると、頭上から醜悪な嘲笑が聞こえました。

「キキキッ。また人間が来た。」

「姫を助けるなんて無理だ。」

「諦めたほうがいいぞ。」

みると、無数のコウモリが天井からぶら下がり、ニタニタと笑っていました。

「何を言う!私は決して諦めるものか!」

大声で怒鳴りつけ、剣を構えると、コウモリ達は一斉に飛び去って行きました。

気味の悪い笑い声を残して。