「おい。起きろ」
俺がそう言うとパッと目を覚ました。
「…………」
何も言わないこいつに
「ここがどこかわかってんのか?」
「…屋上」
こいつもしかして……
「俺のこと知らねーのか?」
「すみません。知りません。」
いきなり口調が変わった。さっきよりも穏やかだが、言葉に感情が入ってねー。
そのとき、屋上のドアが開いた。
「礼二!行くの速すぎ!」
チッ、智也達来やがった。
「……ぇ、女の子?」
悠太がそう言った瞬間女が立ちあがって屋上をでていこうとした。
「なんで泣いてた?」
つい口から言葉がでてきた。
女は悲しい笑顔で
「さぁ。」
そう言って屋上を出て行った。

