2011ヨーロッパハネムーン


高度が高くなるにつれて、外の気温は異常なほど低かった。この極端な冷えは飛行機の壁を伝わり、僕たちの身体に伝わってくるようだった。
窓の外を見てみると、まっすぐではない一本の亀裂が入った赤い陸地が見えたり、岩でできているであろう山が見えたりし、今までで見たことがない雄大な景色が眼下に広がっていた。お腹がいっぱいになった僕たちは、自然と睡魔におそわれた。その頃、機内の窓は閉まりはじめ、真っ暗になり睡眠の時間に入っていった。
僕たちも眠りに入った。僕は、夢をみては起き、また眠りと繰り返していたが、機内にあるモニターに表示される地図は、何度見ても飛行機は同じ場所を飛行しているように思えた。12時間のフライトはあまりに長いと感じていた僕であった。
その後も、寝ては起きを繰り返しているうちに、機内のアナウンスが聞こえてきた。機内食の時間である。僕たちは、よく眠った。眠い目をこすりながら、機内の様子をうかがう僕たち。モニターをみるとローマまでの距離がかなり近くなっていた。嬉しかった。お腹も空いてきた頃だったので、機内食も待ちどおしかった。今回は、メインをクリームソースパスタにし、黒酢ソースがかかっているサラダ、甘い風味のパン、ライトグリーン色のスポンジケーキが独特の香りのする紫色のソースに浸してあるデザートだった。イタリアに到着する前に本場のものではない機内食のパスタを食べることになり、どこのパスタなんだろうと考えながら口をもぐもぐさせ、もくもくと食べていた。本場の味がはやくも食べたくなった瞬間であった。僕たちは食事を終えると、またすぐに眠くなってしまって、起きようとしても眠気には勝つことができなかった。それもそのはず日本時間は真夜中の2時なのである。また、眠りについた僕たちは、機内が明るくなったことにより目が覚めた。もう少しでローマへ到着だ。着陸は、北京と同様、振動もほぼなくとてもスムーズだった。横の妻も無事にローマに着き、ほっとしたようだった。