飛行機に乗ると、航空チケットに書いてある座席をすぐに見つけ座った。旅にわくわくしていた僕たちは、前日からそんなに眠ることができていなかったので、座るやいなや眠気が増してきた。僕たちはうとうとしかけていたが、まもなく飛行機は動き出し離陸の準備を始め眠気が少しおさまった。僕は、久しぶりに飛行機に乗ったため、飛行機が加速し離陸していくのが少しこわいと感じていたが、機長の操縦がとても上手で、僕たちを乗せた機体はスムーズにあがっていった。僕は、再度眠気に負け、うとうとしはじめた。しかし、妻は正反対だった。出発前からこわいこわいと言っていた妻。うとうとしていた目はパッチリと覚め、僕の腕をつかみ、耐えていた。機体は、妻のこわさなどおかまいなしで上へ上へと進み、上昇気流へと無事にのった。妻は、やっと安心したようで、うとうとしはじめたようだった。
しばらくすると、まわりが騒がしくなりはじめ、眠たい目をこすりながら周囲をみると客室乗務員が飲み物のサービスをしていた。うとうとしていた僕たちが飲み物をもらえる番になり、僕が炭酸飲料、妻がオレンジジュースを頼んだ。炭酸飲料のシュワーという刺激で眠気が少しでもとれるかなと思い一口飲み、また一口と飲んでみるのだが眠気がやわらぐどころか、気持ちよくなってついには眠ってしまった。離陸からどれくらいたったのだろうか、機体の揺れで目が覚めた。飲み物が入ったコップが振動するのがわかりこぼれそうになったので手でおさえた。そして、中国語なまりの英語で、「乱気流が生じているためベルトをしっかりお締め下さい。」というアナウンスが流れた。
