2011ヨーロッパハネムーン

タイトル2:サービス精神
ローマの朝をむかえた僕たち。これからの旅にわくわくしていた。まずは腹ごしらえをしなくてはと、ホテルで朝食をとった。朝食が食べられる時間は8時以降で、僕が以前泊まった海外のホテルの朝食時間と比べると、1時間は遅い。そのおかげで、洗顔や歯磨き、着替えをするのに十分時間があった。朝食の場所は、ラッキーなことに泊まった部屋のすぐ近くのスペースだった。おいしそうなコーヒーの香りがして、その周りにはパンやヨーグルトなどがずらりと並んでいた。ローマ初の朝食ということもあって、あれもこれも食べたくなっていた。すると突然、イタリア語で「おはようございます」と、ホテルの朝食を担当している女性が笑顔で僕たちに挨拶をしてきた。挨拶を返し、「ここで食べても良いですか?」とたずねると、快く「どうぞどうぞ」と返ってきた。日本のパン屋さんで売られている大きさの3倍はあろうかという大きなパンや、ヨーグルト、カプチーノ、リンゴジュースをとり席についた。その大きなパンは、とびっきり甘くておいしい。あまりのおいしさと空腹だった僕は、1つでは足りずにもう1つ取りに行き、カプチーノを飲みながら食べてみると、カプチーノの苦味とパンの甘さが絶妙に合い、とても幸せな気分になった。思う存分イタリアの朝を満喫した僕たちは、30分後ぐらいで朝食を済ませ女性スタッフに「ありがとう」と言い部屋へ戻った。出かける準備をして、チェックアウトのため荷物を持って1階のフロントに行った。
チェックアウトを済ませた僕たちが向かったところは、昨夜、列車を降りたテルミニ駅だ。テルミニ駅へ向かうまでの間も、妻は、初めてのヨーロッパの町並みにキョロキョロしていた。完全に観光客だとバレバレの行動で僕は笑えた。
観光スポットを地下鉄でまわろうと考えていた僕は、一日乗車券を買おうと、チケットの販売機に並んだ。僕たちの順番がくると、若い女性が話しかけてきた。なんだかあやしげな女性ではあったが、僕は「一日乗車券を二枚買いたい」と言うと、販売機で買ってくれた。200円のおつりが出ると、その女性は「買ってあげたから私にくれる?」と言った。僕はやむなく了承し200円を渡した。