さっきまでの不安はどこへやら、初めてのイタリアの夜景をゆっくり眺められるほどの心の余裕がうまれた。列車に揺られテルミニ駅に向かう僕たちは移動すること45分、ようやくローマのテルミニ駅に到着した。出発前にテルミニ駅について下調べをしていた僕は、プラットホームから駅を出るまで、7~8分かかると書いてあったのを記憶していた。どれほど広い駅なのだろうかと考えていた。頭上にある案内看板をみてみると出口がいろいろとあるようだった。僕は、ホテルが多く立ち並ぶ場所、大通りというのか、そんな通りに出たかった。方向で言うと、レプッブリカ駅の方向だ。行こうとしている場所に近づく出口かどうかも分からず、半信半疑で進んでいった。3分ほど歩くと出口が見えてきた。下調べによると、出口にたどり着くまでにもっと時間がかかるはずだった。あっさり出ることができてしまい僕は「あれ?」と首をかしげた。駅を出てみるとその通りは、夜ということもあってか、真っ暗だった。僕たちは、明るく電気のついたお店を発見した。小さなパン屋だった。お腹がすいていた僕たちは、とりあえずパン屋に入った。するとそこにはおいしそうな食べ物やペットボトルのジュースなどが並んでいた。僕たちは、その中からアップルパイとチョコレートタルト、そして水を買った。全部で500円ぐらいだった。
お店を出てホテルを探そうとするが、外は真っ暗で道にある電灯の光だけがたよりであった。方向が暗くて分からないので、近くにいた閉店の片付けをしていた別のお店の若い男性スタッフを見つけ、「レプッブリカ駅はどこですか?」と方向をたずねてみる。すると男性は、「ここをまっすぐ歩いて行くと、レプッブリカ駅の方向です」と笑顔で教えてくれた。
僕たちは、薄暗い中、教えてもらった方向へ歩きはじめた。街の一角は生ごみのような臭いもしており、足元に何があるか暗くて見にくかった。5分~10分ほど歩いた頃、やっとホテルが道にずらりと並んでいる通りにでた。僕は、夜もふけ、ハネムーンで初めての宿ということもあり、そして何より不安そうな妻を安心させるため、なるべくきれいそうなホテルをみつけようと必死であった。並んでいるホテルの外観をみて、良さそうなホテルを見つけると、中に入って空室があるかどうかをきいた。1軒また1軒と満室で断られた。その度に妻の不安そうな顔がさらに不安そうな顔になっていった。
お店を出てホテルを探そうとするが、外は真っ暗で道にある電灯の光だけがたよりであった。方向が暗くて分からないので、近くにいた閉店の片付けをしていた別のお店の若い男性スタッフを見つけ、「レプッブリカ駅はどこですか?」と方向をたずねてみる。すると男性は、「ここをまっすぐ歩いて行くと、レプッブリカ駅の方向です」と笑顔で教えてくれた。
僕たちは、薄暗い中、教えてもらった方向へ歩きはじめた。街の一角は生ごみのような臭いもしており、足元に何があるか暗くて見にくかった。5分~10分ほど歩いた頃、やっとホテルが道にずらりと並んでいる通りにでた。僕は、夜もふけ、ハネムーンで初めての宿ということもあり、そして何より不安そうな妻を安心させるため、なるべくきれいそうなホテルをみつけようと必死であった。並んでいるホテルの外観をみて、良さそうなホテルを見つけると、中に入って空室があるかどうかをきいた。1軒また1軒と満室で断られた。その度に妻の不安そうな顔がさらに不安そうな顔になっていった。
