僕たちは、目的地のローマ、レオナルドダビンチ空港に降りたった。長いフライトで疲れている機体と僕たちは、30分遅れの到着となり、日本時間で夜中の2時半、現地時間夜7時半に到着した。この日の疲れを取るため早く休みたいと考えていた。急いで入国審査を受け、X線検査へ行った。入国審査では、パスポートを開かずパスポートの表紙を見せただけで入国できた。これは日本人の特権なのだろうか。信頼が厚い日本ならではのことだろうか。それとも入国管理官の気分なのだろうか。今でも疑問が残ったままである。その後、荷物の受け取りを済ませ、国際電話カードの販売機を見つけた僕たちは、出国前から両親に毎日連絡することを約束していたので国際電話のプリペイドカードを買った。その後、この日泊まるローマのホテルを探すことにした。空港内にはホテル予約をしてくれるデスクがいくつかあり、僕はそこできいてみようと思った。早速、僕たちはある一つのデスクに行くことにした。そこには50代くらいの男性が座っていて、「ローマ市内で二人部屋が空いているホテルはありますか?」とたずねると、その男性は、「ありますよ。」と言い、こちらの予算に見合うホテルを紹介してくれた。しかし、ホテルへ行くのに3000円、紹介デスクの手数料に3000円、ホテル代が1万円で、紹介デスクに3000円は高すぎるのではないか、騙されてはいないのかと考え、そこで決断することはどうしてもできなかった。しかし、断ろうとすると男性の態度が一変し、「なんで決めないのか?」と言われ横柄な態度に恐怖を感じたが、僕はその恐怖を押し殺して断った。その紹介デスクの近くにはもう一つ別のデスクがあり、ホテルに関しての情報が知りたかった僕たちは、すぐに向かった。そのデスクには女性が座っていた。
