「――なんてな」

「えッ?」

ニカッと笑う誠の顔は、いつもの誠で。


「まだ明日まで時間あるよな。これ、何とかできんじゃない」



――ドレス




「あの、誠ッ……」


「返事とか、いつでもイイから。今は明日の事だけ考えよ」




――誠……



気を使って言ってくれてる事に気付いた。




……ありがとう。




心の中で、優しさを噛み締めた。


「布とかまだいっぱい残ってたよねッ。ミシンもあるし……やってみよう」

「おう、俺も手伝うから」










――数時間後


不器用な誠と二人で、何とか仕上げたドレスは、どんなドレスとも違う、独特な可愛いらしさがあった。




窓の外を見たら、少し明るんでいるような気がした。


でもあまり覚えていない。